アーロン・ベックという心理学者は、ウツ病を導くきっかけとなるこうした思考パターンや知識の枠組みを抑うつスキーマと定義しています。抑うつスキーマである「~すべき」 思考やデジタル思考は、ウツ病やウツもどきになる人に特徴的に見られる思考のクセなのです。
とくに「~すべき」思考は、日本社会の自由気ままな風潮とは逆行してますます強くなってきているように思えます。
このような考え方は、自分自身を追い詰めてしまいます。会社や周囲にとっては、害はほとんどありませんし、「問題がある」というわけでもありません。ただ、このように考え続けていると非常に疲れてしまいます。息苦しい生き方と言えます。どのような癖が発症の危険度が高いのか、ということを知っておくことでうつ病の対策や予防・早期発見も可能となります。
世間の常識や価値観と照らし合わせてみて自分がどう見られるかが非常に重要なのです。自分の行動が世間の枠から外れるようなおかしなものでないかをとても気にするのです。
でき上がった世間は当然、余裕のないギスギスしたものになり、その中の狭陰な成功や処世の価値観に従って生きていこうとすれば、人々の間で「~すべき」思考が強くなるのは必然のことと言えるかもしれません。
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